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鹿児島断熱賃貸 〜エコリノベ実証実験プロジェクト〜

  • 鹿児島断熱賃貸 〜エコリノベ実証実験プロジェクト〜 施工後_1
    鹿児島断熱賃貸 〜エコリノベ実証実験プロジェクト〜 施工前_1
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    鹿児島断熱賃貸 〜エコリノベ実証実験プロジェクト〜 施工前_2
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    鹿児島断熱賃貸 〜エコリノベ実証実験プロジェクト〜 施工前_6
  • 鹿児島断熱賃貸 〜エコリノベ実証実験プロジェクト〜 施工後_7
    鹿児島断熱賃貸 〜エコリノベ実証実験プロジェクト〜 施工前_7

「南国鹿児島に断熱は不要でしょ?」

そんな間違った認識を払拭するため、物件オーナーであり、鹿児島市のエネルギー供給会社である日本ガス様が、断熱エコリノベを通じて省エネルギーを推奨するという、一見矛盾しているように思える企画が今回の「鹿児島エコリノベ実証実験プロジェクト」です。

対象となった物件は、築37年コンクリート造の賃貸住宅。
エレベーターが無く最上階の5階まで階段を利用しなければならい等、不利な条件ではありましたが、鹿児島市の中心部に位置し立地や眺めは最高。
間取りはというと昔ながらの区切られた2DKにタイル風呂。
とても使い勝手が良いとは言い難い間取りでした。

昨今では賃貸住宅の退去理由として、家の中が寒いなど住環境による理由が上位を占めている事も明らかとなっています。
この取組は、増え続ける空き家問題に対する解決の糸口となるよう、賃貸でも快適な暮らしを提供することで長くその物件に住み続けてもらいたいという意図のもとに計画されました。

今回のプロジェクトでは空室となていた最上階の501号室と502号室へ断熱リノベーションを行いました。

↑501号室のBefore

↑502号室のBefore

今回は、天井・壁・床に断熱材をしっかりと充填できるよう、躯体のコンクリートが見える状態まで解体を行いました。

天井・壁・床には温熱計算に基づき選定された断熱材を隙間なく充填し、気密シートや気密テープを利用し、気密をしっかり確保しました。



最上階にある2室は、屋上からの熱や冷気を直に伝わりやすい状態。
天井の下地から組み直し隙間なく断熱材を充填していきます。

外部に面する壁にも断熱材を充填。



人の体で最も寒く感じる部位が足元。快適な室温を保てるよう床にも断熱材を施します。

また、今回は断熱をより身近に感じてもらえるよう、501号室はDIYを取り入れて断熱リノベーションを行いました。

体験だけでなく、しっかりと断熱の基本を学んで頂けるよう、座学も取り入れながらのワークショップ!

座学の知識を踏まえ、実際に断熱材をDIYで施工していきます!
断熱材をカットするところから体験してもらいました。
意外と真っ直ぐ切るのが難しいんです!

ヨレが出ない様に気密シートも貼っていきます。
意外と時間のかかるこの作業!
早速、ご自宅でも試してくださった参加者の方もいらっしゃいました^^

DIYと言えば塗装!ということで塗装の体験もして頂きました!



刷毛の説明や養生についてなど、塗装の基本も学びます!



刷毛とローラーを使い分けながら黙々と塗装中!
真っ白の壁がエルムグリーンの明るく落ち着いた色合いに。

そしてなんといっても断熱といえば窓!
冬場の窓からの冷気を体感されている方も多いのでは。。。
昔の窓はアルミのフレームに単板ガラス。
外部からの冷気を取り込みやすく、室内の熱を逃しやすい環境が整っていました。

窓からの冷気を取り込まないよう、木製内窓のDIYにチャレンジしていただきました!

DIYの講師としてエネルギーまちづくり社の内山さんにもお越しいただきました!

 


実際に木材をカットし、窓のフレームを組み立てていきます!

内山さん、大工さんのご指導の下着々と作業が進んでいきます!

木製窓のガラス部分にはハモニカーボを採用!
中空板になっている為、断熱性があり、ホームセンターで購入できるため、DIYではとても扱いやす材料です!

断熱建具完成!
見事に窓からの冷気をシャットアウトできた室内は快適です!

今回のプロジェクトでは、断熱工事前と断熱工事後のデータを計測しています。
職人さんによる断熱施工と、内窓にはより断熱性の高いYKKのプラマードを採用した502号室で計測を行いました。

断熱施工後のUa値は0.41まで向上し、HEAT20G2レベルの室内空間となりました。
さらに鹿児島大学様のご協力の下、無断熱の既存空室で同一機種のエアコンを用いた温度測定、電気使用量のデータ測定を行った結果、断熱後の部屋では外気温が0度のときでも室内表面温度は変化が少なく、無断熱の部屋に比べ体感温度は3.1度上昇、電気使用量は30%減というデータを得ました。

鹿児島市の玄関口である”鹿児島中央駅”と中心繁華街”天文館”から共に1kmの好立地であるにも関わらず長年空き家であった本物件は、このデータを入居者募集時に明文化することで、完成引き渡し前後に入居が決まり、空室対策としての効果も立証されました。
今回の案件を機に、今後のストック活用の一つの事例となればと願っています。

Before

4$s501号室 施工前

After

4$s501号室 施工後

Before

4$s501号室 施工前

After

4$s501号室 施工後

Before

4$s501号室 施工前

After

4$s501号室 施工後

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4$s501号室 施工前

After

4$s501号室 施工後

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4$s502号室 施工前

After

4$s502号室 施工後

Before

4$s502号室 施工前

After

4$s502号室 施工後

Before

4$s502号室 施工前

After

4$s502号室 施工後