みなさんこんにちは。
超超超超久しぶりのブログ更新です。
スタッフ不足で日々忙殺されてSNSやブログの更新が疎かになっております。(ちゃんとせねば・・・)
さて、先日大量の見積もりや現場確認、現場作業などのほんの少しの隙間を縫ってリノベーション協議会の南九州リノベ視察研修ツアーに参加してきました。
久しぶりに刺激ビンビンな2日間だったので、この興奮を一人でも多くの人に伝えたいと久しぶりにブログを書くことにしました。
私は日本一リノベを愛する団体【リノベーション協議会】のメンバーでして、私が所属する九州部会は関西部会との交流があります。
今回は関西部会の皆様が南九州(宮崎・鹿児島)のリノベ案件の視察がしたいー!ってことで企画をネリネリして実現しました。
それでは濃厚な2日間をダイジェス版でご覧ください。
今回関西部会から8名のメンバーさんが参加して来られました。
関西部会の方々はツアー前日の夜神戸港からフェリーに乗って宮崎港を目指します。
船旅の疲れも見せずいい笑顔のメンバーさんたち(^^)
左から大阪のシンプルハウス池田さん、神戸の団地リノベの雄フロッグハウスの清水さん、大阪のリノベのレジェンドともいえるアートアンドクラフトの岡本さん、シンプルハウス立花さん、両手を大きく上げてるのが京都のジャイアンなのにすごく繊細な木の仕事人ことイタヤ工房の石巻アニキ、一番右端が今回の企画者シンプルハウス大畑さんです。
宮崎港まで鹿屋のプラスディー設計室ご一行様が迎えに行き、和気あいあいと飫肥へ移動。
私は北九州の造作家具でリノベを考える会社CWTの武末さんと鹿児島市から目的地の飫肥で合流。
前日夜は鹿児島グルメでおもてなし
鹿児島の食はうまい。
今回の前夜祭は天文館の名店 ま心創楽 瑛炭 さんです
がんこ鶏の炭火焼は美味いよね♡
さて、話し戻りましてはるばるやってきたのは宮崎県日南市飫肥。
お隣宮崎県でもなかなかの距離感なので足を運ぶ機会は少ない(というかほぼない)ですが、江戸時代から続く古い町並みを活かした人気観光地で一度訪れてみたいと思っていたところ。
なによりこの地で武家屋敷や伝統建築を活かしたリノベーションで業界をかき回してるイケイケの建築デザイナー PAAKデザインの鬼束さんの事例を見学してみたかった。
念願かなって飫肥に到着。
【古い街並みを活かした観光の街飫肥】
とても難しい漢字の飫肥(おび)は宮崎県の南部、日南市中央部にある地区で江戸時代にこの地域を治めた伊東氏の城下として栄えた町です。江戸時代初期に完成した町割りが今もそのままに残り、当時の建物や石垣などが風情溢れる景観を見せてくれます。その歴史的景観の価値が認められ、昭和52年(1977年)、九州で最初に、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されており、「九州の小京都」とも称され、多くの観光客が訪れる観光地でもあります。
まず訪れたのは古い屋敷を復元改修したお食事処「武家屋敷 伊東邸」
こちらは相当傷みの激しい状態であった屋敷ということで、昔の図面を復元して、新築で当時の姿を再建した物件です。
新築とはいえど、できるだけ歴史のかけらや伝統的な様式を感じられるよう鴨居の高さは昔のままに、以前に茅葺き屋根だった様子が伝わるように、天井は張らず屋根の下地がすべて見えるようにと創意されています。
まずは飫肥のマチと、このマチで仕掛けるリノベーション事例についてレクチャー
レクチャーのあとは趣のある街並みをぶらり。
【リノベーションで飫肥の課題解決】
観光を大きな収入源にしてきた飫肥ですが、コロナ以降宿泊客が減り、日帰り観光客が増えていっておりどんどん先細りの状態になってきているとのこと。
よりいまの観光ニーズに合わせるために、武家屋敷を一棟貸しスタイルの宿泊施設にリノベーションしたり、町全体をホテルにしていくという壮大な計画が進められているとのことです。
ここにはマチの課題があり、その課題を解決するためにリノベーションが持つ本来の力が発揮されていることを建物内でビシバシ感じます。
PAAKデザインの事務所見学もさせてもらい、引き続きマチ探訪をしながらこれからのプロジェクト案件の工事前の状態を内覧させて頂きます。
広大な武家屋敷の敷地にポツンと立つ和洋折衷の味わい深い建物。
元々お医者さんのお住まいだったこの家が来年にはパン屋さんを併設した宿泊施設に産まれかわるとのことです。
床や壁などの表層的な内装は時間とともに劣化した状態ですが、なんせそもそもの設えのレベルの高さ、建具一枚一枚の重厚な作り、欄間など細部に行き渡る贅沢なのに趣味のよい空間設計。
工事前の状態を見てこんなに喜ぶ人種はリノベ屋しかいないのではないでしょうか^^
想像力豊かな変態集団は室内をなめるようにして見ていきます。
鬼束さんに室内の変更箇所や設計のポイントをご説明頂きます。
この部屋は洋風の間として、来年には宿泊できるお部屋となります。
この細かく木組みされた窓越しからの眺望がヤバく、ここに泊まれるということを想像するだけでヨダレが出てきますね~(≧◇≦)恐るべきポテンシャル!そしてここに目を向ける鬼束さんの恐るべき審美眼。
完成が楽しみですね!
つづいてやってきたのは鉄骨の倉庫の中に所狭しと和の家具や古物が立ち並ぶ「PAAK STOCK」
解体現場から引き揚げてきたそれらを並べ、月に一度一般公開して購入できるお店となっています。
わざわざ県外からも買い付けに来るほどのポテンシャルを持った素晴らしいお店でした。
リノベーションは解体から始まる仕事で、解体時には家財道具との格闘も待っています。
これだけのエリアですので、そこから出てくる家財の質は一般的な解体残置物とは段違い。
とても理にかなった住空間を未来や循環に繋げる活動でありお店になっております。
前半の街歩きを終え、武家屋敷伊藤邸に戻りランチタイム。
日南は古くからマグロで栄えた港町で、こちらでいただけたのは「生マグロ丼まぶし」
新鮮なキハダマグロの刺身をそのままいただいてもよし。ご飯に乗せてタレを掛けていただくもよし。最後は出しをかけてお茶漬け風に。
なにより羽釜で炊いたコメが美味い。お変わり必須。
トロケました(*´Д`)
お腹も満たしてつづいての視察はリノベーションオブ・ザ・イヤーでも受賞歴のある武家屋敷をリノベーションした宿泊施設となります「PAAK HOTEL 犀」をご案内頂きます。
もともとの土間が和風インナーバルコニーのような違う空間に変貌、古民家の設えの中にガラスで切り取られた水廻りが浮かぶ感じ、どれも現代的な感覚とセンスが絶妙なバランスをとっています。
続いても宿泊施設となります「PAAK HOTEL 犀」をご案内頂きます。
もともとの土間が和風インナーバルコニーのような違う空間に変貌、古民家の設えの中にガラスで切り取られた水廻りが浮かぶ感じ、どれも現代的な感覚とセンスが絶妙なバランスをとっています。
この写真は現代アートが飾られる当時のままに近い床の間。
敷居を使ったトイレ棚もふむふむな納まり♪
素材が素晴らしい中、残す所をどこにするのか?極力少ない手数でこの空間の風味を最大限にするために葛藤も伺えます。しかし、その判断のどこも間違わずに出来上がったこの空間って、建築だけをやっていては出来ない技だなーと深々感じます。センスとかは勿論のこと、きっと愛が必要なんでしょうねー。
細部までこだわった空間デザインは鹿児島でも多数ある古民家のリノベーションにも活用できるアイデアが盛りだくさんで非常に勉強になりました。
続いては上級藩士の住まいをリノベーションした宿泊施設「茜さす」
格調の高さを感じる門構えからの内部の設え。リラックスできるこの空間で泊ることを想像すると自然に平穏な気持ちになります。
鬼束さんが説明頂いている中、みんなそれぞれ自由に拝見させて頂きます。
設計者の意図や作り込み、優しさみたいなものは建具などの可動する所や手で触るところ、戸尻などの各部位に表れています。ですので説明をお聞きするより「視て・触って」したらだいたい解ります。そんなメンバーが揃っているので、まあみんなウロウロ^^
左は食いつきが凄かった冷蔵庫を貫通させて常時冷やせるようにしているビールサーバー!右はブラケットライトをベッドヘッドに貫通させて取付。なるほど!PAAKデザインやりおるな。
ぎゅっと詰め込んだ濃厚な飫肥ツアーのあとは日南の油津商店街へ。
まだまだ続く鬼束さんの町リノベーションを体験させて頂きます。
それではまた。